「行ける旅行」から「楽しめる旅行」へ
From “Accessible Travel” to “Enjoyable Travel”

障害の有無にかかわらず、
誰もが安心して、自分らしく、大切な人と一緒に、
旅行を楽しめる社会を目指して。

「JoyWheel! Travel」は、障害の有無にかかわらず、誰もが自分らしく旅行を楽しめる社会を実現するためのアプリです。
調査やフィールドワーク、インタビューを通じて、アクセシビリティの課題を研究し、そこで得た気づきをこのアプリの開発につなげています。


About Me

正野 幹泰(Mikiyasu Masano)

現在アメリカの高校に通う17歳。
幼い頃から車いすを利用する従兄と旅行してきた経験をきっかけに、
「誰もが楽しめる旅行」をテーマに研究・活動しています。


My Journey ~これまでの歩み~

「誰もが楽しめる旅行」とは何か。

ルスツリゾートでのアンケート調査、車椅子を利用する従兄との旅行、車いす利用者へのインタビュー、インクルーシブ観光ワークショップを通じて、現場の声に触れながら考え、様々な活動に取り組んできました。

これらの経験が、現在開発中のアプリ「JoyWheel! Travel」につながっています。
これまでの主な活動と歩みは、次のとおりです。

01|原点 ― 車いすを利用する従兄との旅行
02|ルスツリゾートでのアンケート調査
03|車いす利用者との実地検証
04|当事者へのインタビュー
05|ワークショップ ― みんなで考える「楽しめる旅行」
06|Accessibility Guideを形にする
07|JoyWheel! Travel ― アプリ開発へ
08|ビジネスピッチへの挑戦
09|次のステップへ ― Next Step


01|原点 ― 車いすを利用する従兄との旅行
Where My Journey Began

私には、車いすを利用している従兄がいます。幼い頃から、家族と一緒にたくさんの場所へ旅行してきました。

私はずっと、従兄も自分と同じように旅行を楽しんでいると思っていました。しかし、ある時、従兄が「一度でいいから山登りをして、きれいな空気を思い切り吸いたい」と話したことがありました。

その言葉を聞いて、私は初めて気づきました。
旅先に「行ける」ことと、そこで本当に「楽しめる」ことは、同じではない。

『では、誰もが楽しめる旅行とは何だろう?』

この疑問が、私の取り組みの出発点になりました。


02|ルスツリゾートでのアンケート調査
Survey Research at Rusutsu Resort

「誰もが楽しめる旅行とは何だろう?」

その答えを確かめるため、2025年夏、北海道・ルスツリゾートで旅行者489名を対象にアンケート調査を行いました。調査では、「移動が分かりにくい」「案内が足りない」といった声があり、そこで新たな疑問が生まれました。

「一般の旅行者でも困っているのなら、車いすを利用する人は、もっと困っているのではないか?」

この疑問を確かめるため、次は従兄と実際にルスツを訪れることにしました。

そして、この調査から始まった研究は、熱海での追加調査を経てリサーチペーパーとしてまとめ、スコットランドでの研究発表へとつながりました。


03|従兄とのルスツ実地調査
Traveling Rusutsu with My Cousin

アンケート調査で生まれた疑問を、自分の目で確かめたい。
そこで2026年春、車いすを利用する従兄と一緒に、実際にルスツリゾートを訪れ実地調査を行いました。

館内や周辺を一緒に移動してみると、段差や通路の幅だけでなく、「どのルートを通ればよいのか」「どこで休めるのか」といった、事前には気づかなかった課題が見えてきました。また、従業員の方に障害者対応についてのインタビューも行いました。

そして気づいたのは、設備が整っているだけでは十分ではないということでした。

「行ける」だけではなく、
安心して、旅行そのものを「楽しめる」こと。

そのためには、旅行者が必要な情報を事前に知り、自分で選択できることが大切だと感じました。

このルスツでの実地調査は、私にとって大きな転機となりました。「課題を調べる」だけではなく、自分でその解決策をつくりたい。

そう思うようになり、ここから私の活動は大きく動き始めました。


04|車いす利用者の声を聞く
Listening to Wheelchair Users

ルスツの実地調査を通じて、私自身が気づいた課題だけでなく、他の車いす利用者は旅行でどのようなことに困っているのかを知りたいと思うようになりました。

そこで、実際に車いすを利用している方々に、旅行中に困ったことや、旅行先を選ぶときに知りたい情報についてインタビューを行いました。

話を聞く中で見えてきたのは、段差やエレベーター、バリアフリートイレといった「設備」の情報だけではありませんでした。

「行けるかどうか」だけではなく、
「そこでどう過ごせるのか」を知りたい。

必要としている情報や感じる不安は、人によって異なります。

だからこそ、一人ひとりが自分に必要な情報を選べることが大切なのではないか。

このインタビューを通じて、ルスツの実地調査で感じた課題が、従兄だけのものではないことを知りました。


05|みんなで「楽しめる旅行」を考える
Designing Enjoyable Travel Together

車いす利用者へのインタビューを通じて、旅行で感じる不安や必要な情報は、一人ひとり異なることが分かりました。

では、障害の有無や立場を超えて、「誰もが楽しめる旅行」とはどのようなものなのか。

その答えをみんなで考えるため、「インクルーシブ観光ワークショップ」を開催しました。30名近くの方に参加いただき、4つのグループに分かれ、それぞれの経験や考えを共有しながらディスカッションしました。

ディスカッションを通じて見えてきたのが、

安心して、
自分らしく、
大切な人と一緒に楽しめること。

「行ける場所」を増やすだけではなく、一人ひとりが自分らしい旅行を選び、楽しめるようにする。

このワークショップで見えてきた「楽しめる旅行」の姿を、今度は実際の旅行に役立つものとして形にしたい。
その思いから、Accessibility Guideの制作に取り組みました。


06|Accessibility Guideを形にする
Turning Insights into an Accessibility Guide

ルスツでの実地調査や車いす利用者へのインタビュー、ワークショップで得た気づきをもとに、Accessibility Guideのプロトタイプを制作しています。

ガイドでは、トイレやエレベーターなどの設備情報だけでなく、安心して移動できるルート、休憩場所、客室情報、モデルコース、FAQなど、「旅行する前に知りたい情報」を一つにまとめています。

目指しているのは、「行けるかどうか」を伝えるだけではなく、「ここなら安心して楽しめそう」と旅行前からイメージできるガイドです。

現在は、これまでの調査や実地検証をもとにガイドの内容を検討し、ルスツリゾートへの提案を進めています。

そして、この考え方を一つの旅行先だけでなく、より多くの場所や人に広げていきたい。その思いから生まれたのが、「JoyWheel! Travel」アプリのアイデアです。

【従兄との実地調査】

↓

【実地調査で見えた課題】

↓

【Accessibility Guide(プロトタイプ)】


07|「JoyWheel! Travel」アプリの開発へ
From One Resort to a Wider Solution

Accessibility Guideを考える中で、新たな思いが生まれました。

『この仕組みを、ルスツリゾートだけで終わらせたくない。』

旅行者が必要とする情報は、一人ひとり異なります。そして、同じ人でも、行く場所や一緒に旅行する人によって、必要な情報は変わります。

そこで考えたのが、旅行者一人ひとりに合わせて必要な情報を届け、「楽しめる旅行」を見える化したアプリ「JoyWheel! Travel」です。

「JoyWheel! Travel」では、車いす利用者だけでなく、それぞれのニーズに応じて表示する情報や使い方を変え、自分に必要な情報を簡単に見つけられる仕組みを目指しています。

目指しているのは、単なる「バリアフリー情報アプリ」ではありません。

「行ける場所」を探すためではなく、
「自分らしく楽しめる場所」を選ぶためのアプリ。

ルスツリゾートでの調査から始まった一つの問いが、現地調査、インタビュー、ワークショップ、Accessibility Guideへとつながり、今、「JoyWheel! Travel」という新しいアイデアへと広がっています。

現在、「JoyWheel! Travel」は開発中のプロトタイプです。
実際に使いながら改善を重ね、「誰もが自分に必要な情報を見つけ、自分らしく旅行を楽しめる」仕組みを目指しています。

【JoyWheel! Travelプロトタイプ】

「JoyWheel! Travel」のプロトタイプを、実際に体験してみてください。

そして、このアイデアをより多くの人に伝え、社会で実現する方法を考えるため、私はビジネスピッチに挑戦することにしました。


08|ビジネスピッチへの挑戦
Taking the Idea to the Stage

「JoyWheel! Travel」のアイデアを、より多くの人に伝えたい。
そして、アイデアで終わらせず、社会で実現する方法を考えたい。

「行ける旅行」から「楽しめる旅行」へ。
この思いを社会に届けるため、私はビジネスピッチに挑戦しました。

1. IVS Youth Pitch - Grand Prize Winner –

2026年の夏、京都で開催された「IVS Youth Pitch」に挑戦し、「JoyWheel! Travel」のアイデアをビジネスとして初めて発表しました。
「行ける旅行」から「誰もが楽しめる旅行」へ。
これまでの活動から生まれたアイデアを発表し、最優秀賞を受賞しました。

IVS Youth Pitchの会場で、京都テレビの取材を受けました。
京都テレビのVTRは、こちらのYouTubeからご覧になれます。

2. みんなの夢AWARD - Finalist –

IVS Youth Pitchでの経験を経て、次に挑戦したのが「みんなの夢AWARD」です。
これまでの活動と「JoyWheel! Travel」を通じて実現したい未来について発表し、2,000人を超えるの応募者の中から10名のファイナリストに選ばれました。

発表は国立オリンピック記念青少年総合センターにて行われ、大観衆の前での発表だったためとても緊張しましたが、自分の思いを大勢の方に直接届けることができた、貴重な経験となりました。

発表の様子は、こちらのYouTubeからご覧になれます。


09|次のステップ
Next Step

「JoyWheel! Travel」は、まだ始まったばかりです。

これからも、様々な方の意見や声を聞きながら、プロトタイプの改善を重ねていきます。

そして、旅行する人だけでなく、ホテルや観光施設など、旅行を支える人たちとも一緒に、「誰もが安心して、自分らしく、大切な人と旅行を楽しめる」仕組みをつくっていきたいと考えています。

「行ける旅行」から「楽しめる旅行」へ。

「JoyWheel! Travel」の挑戦は、これからも続きます。